テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 紫外線と眼 2025.05

ご存じのように紫外線は季節によって変わり、夏が最も強くなります。 ゴールデンウイークごろから紫外線量は急増し、1日のうちのピークは10時~2時ごろです。 曇りの日でも晴れの日の60%程度の紫外線の強さがあるので注意が必要です。 紫外線障害には急性のものと慢性のものがあります。 眼科では急性は雪目、慢性は瞼裂斑と白内障が代表的です。

晴れた日の冬のスキー場の紫外線被ばく量は夏の沖縄のビーチの2.5倍もあるそうです。 ゴーグルやサングラスで予防していないと、 数時間スキーを楽しんだだけで強い痛み、充血、まぶしさなどを伴う急性炎症をおこしてしまいます。 「雪目」という言葉があるのもうなずけます。

軽い急性障害なら少しの充血程度でほとんど自覚症状なく翌日にはよくなっています。 ただ、紫外線被ばくが慢性的に続くと眼にも変化が起こります。 関係するのは瞼裂斑と白内障です。 以前コラムで書いた瞼裂斑は屋外のUV量が大変多い低緯度地域(赤道付近の国々)では小学低学年から瞼裂斑ができることがあるそうです。 低緯度地域でなくても屋外でのスポーツを長時間する人は若年からできる可能性があります。 できたから病気というわけでもないのですが、翼状片に移行することもあり大きくなると外科的切除が必要になることがあります。
白内障は水晶体というレンズに相当する組織の透明度低下で、基本的には老化現象です。 ただ、それを悪化させる要因として紫外線があります。 最近ではそれに加えて太陽光を浴び続けることによる眼内温度の上昇も白内障を悪化させる要因ではないかといわれています。
野外での運動や活動は心身にとってとてもいいことです。 この時期からは紫外線と暑さ対策をしっかりして楽しみましょう。