オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集  翼状片と瞼裂斑 2010.10

   

目の表面は本来つるんとなめらかな状態になっていますが、でこぼこになる原因として翼状片(図1矢印)や瞼裂斑(図2矢印)などがあります。両者ともに加齢や紫外線・コンタクトレンズなどの目の表面への慢性的な刺激が原因で起こると言われています。

翼状片とは図1のように、結膜と強膜(白目)との間にある組織が必要以上に増えて角膜(黒目)の方に入り込んできた状態です。たいていは目頭側にあって三角形をしています。血管が豊富な組織なので正常の白目に比べて少し赤く見えることがあります。

瞼裂斑とは目頭や目尻の黒目と白目の境目にできる黄白色の隆起のことです。図3(矢印)のように瞼裂斑は時に翼状片に移行することがあります。人によってはその周りの白目の血管が拡張し少し赤く見えたり、炎症を起こして図2のように瞼裂斑炎という状態になったりすることがあります。

目の表面がでこぼこするため、大きくなると瞬きするたびに異物感(何かが入っているような感じや何かがこすれているような感じ)がでることがあります。また瞬きをしても涙がうまくぬぐえなかったり、逆に涙が届かずに乾いてしまったりするところが出てきてしまい涙目や乾燥感の原因にもなります。コンタクトレンズを使っておられる方は、装用感が悪くなったり、充血しやすくなったりします。

両方とも程度が軽ければ様子を見るのが原則です。ただ、翼状片は大きくなると瞳を覆い隠そうとしたり、目の表面がひずむため乱視が強くなったりします。こうなると視力低下の原因となりますし、でこぼこも大きくなるため異物感も強くなります。ここまでに至ると手術で切除することになります。困ったことに手術しても再発することがあり、特に若い人にその傾向が見られます。瞼裂斑は翼状片と比べ症状が軽く手術することはほとんどありません。

ただ偽翼状片や結膜フリクテンといった、見た目には似ていますが翼状片や瞼裂斑とは別の病気もあります。痛みなどの症状がある方や、見た目が気になる方は受診をおすすめします。