院長略歴
1990年 京都大学医学部を卒業し、同眼科学教室入局
1991年 倉敷中央病院
1993年 京都大学大学院医学研究科博士課程
1997年 京都大学保健診療所、医学部附属病院眼科助手
1998年 ハーバード大学 ブリガム& ウィメンズ病院研究員
1999年 バーナム 研究所研究員
2000年 神戸市立中央市民病院
2007年 菊地眼科開院
略歴
緑内障
私は視神経疾患に興味を持ち、研究テーマにもしておりました。
視神経におこる代表的な病気である緑内障の診断・治療は当院で力を入れている分野の一つです。
まずは緑内障かどうかの正確な診断と、どうして緑内障を発症したかを見極める必要があります。
緑内障のタイプによって治療法が異なるからです。
超音波断層写真(OCT)を診断の参考にすることはありますが、やはり眼底検査、眼圧測定、視野検査が大切です。
視野検査方法には2種類あり、静的視野検査はハンフリー視野計、動的視野検査はゴールドマン視野計を当院では使用しています。
ハンフリー視野計は静的視野検査として世界で最も普及している自動検査機器です。
ゴールドマン視野計は視能訓練士が患者さんと対話しながら行う検査で、緑内障患者さんすべてに行う検査ではないのですが、
ほかの視神経疾患との鑑別や静的視野検査が難しい方に受けていただいています。これは当院の特徴の一つだと思っています。
いざ、緑内障として治療を受けていただくときに問題となるのは薬の選択です。
原則として目薬をさして眼圧を下げるという治療なのですが、さし心地はよくないことが多く、
充血、異物感、かすみ目、目やに、見た目の変化など患者さんに不快な症状がでることがあります。
治療効果とさし心地の面でどの目薬が両立できるかを患者さんのお話を伺いながら決定し、
できるだけ少ない目薬で最大の効果が発揮できるようなテーラーメイド治療を行っております。
点眼療法に加えレーザー治療ができるように機器を導入しました。詳しくはコラム「選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)」をご覧ください。
白内障
白内障は水晶体というレンズに当たる組織が老化現象で濁ってくる病気です。
残念ながら年をとるとみなさん必ず生じる問題なのですが、その経過は人それぞれです。
生涯比較的良好な視力を維持できる方もいらっしゃれば、早い時期から日常生活に支障をきたす程度まで進行してしまう方までいろいろです。
また、ひとくちに白内障の進行といっても、視力低下を起こす方、どんどん近視が進んでしまう方、
進行スピードが左眼と右眼で違う方など、いろいろなパターンがあります。
当院では白内障手術は行っておりませんが、だからこそ皆様のライフスタイルに応じた最適な治療法を提案できると思っています。
白内障の状況によってはリスクの高い手術もあります。
遠近両用の人工レンズ(ただし保険適用外で自費になります)あるいは乱視矯正用の人工レンズ(これは保険適用です)が最適な方もいらっしゃいます。
お住いの近くで手術を受けたい方や、日帰りあるいは入院での手術を希望される方など患者さんのご希望も様々です。
当院ではこれらのことをすべて考慮に入れて依頼する施設や先生を紹介させていただいております。
術後も何か気になることがあって相談したいときはかかりつけ医としてのフットワークの軽さが発揮できると思っております。
黄斑変性症
黄斑変性症は萎縮型と浸出型に大別され、さらにその原因によりいくつかの病型に分類される基本的には慢性に変化する病気です。
活動性の低い萎縮型の時は診療所で経過観察が原則ですが、浸出型は病状によっては大病院での精密検査・治療が必要になります。
視力の維持、時には視力改善につながるような治療法や薬が開発されてはいますが、残念ながら今でも失明原因の上位にある病気なのでしっかりとした経過観察は必須です。
黄斑変性症にはOCT検査はとても大切な検査です。
眼底検査だけでははっきりしない細かな所見をこの検査で得ることができます。
当院でも定期的にOCT検査を受けていただき、どのように変化したかを視力や眼底検査などと合わせて総合的に病状の判断をし、患者さんにご説明しています。
網膜疾患
黄斑変性症以外にも視力に影響する網膜疾患はたくさんあります。
その中でも代表的なのが糖尿病網膜症と網膜剥離です。
糖尿病患者さんの増加とともに網膜症を合併する方も増え続けており、緑内障、黄斑変性症とともに失明原因の上位を占める病気です。
糖尿病の厳密なコントロールが基本なのですが、網膜症が悪化した場合、手術、眼内への注射、レーザー治療などを行います。
ほとんどの方は経過観察だけでいい軽症なのですが、
網膜症の進行が止まらず視力低下につながるリスクが高い方には大病院で精密検査を受けていただいております。
その結果レーザー治療が必要な方には、網膜症の進行を抑える目的で当院で行っています。
網膜剥離は網膜に裂け目(網膜裂孔)ができて、そこから文字通り網膜が眼球から剥離し、深刻な視力障害を残す可能性のある比較的急激に進行する病気です。
網膜に裂け目ができたときに飛蚊症や光視症などの症状を自覚する方がいらっしゃいます。
この時点で速やかに受診されれば裂孔周囲にレーザー治療を行い網膜剥離に進展することを防止できます。
網膜剥離がある程度進行してしまうとレーザー治療では治らないため入院して網膜を眼球に復位させる手術を受けていただく必要があります。
もちろん飛蚊症や光視症のほとんどの原因は老化現象などの生理的なもので心配ないのですが、もし急に症状が出てこられた方は念のための検査を是非お勧めします。
ドライアイ/IT眼症
これまでにもドライアイをテーマにいくつもコラムを書いてきました。
パソコン、テレビ、スマホなどの電子機器類を長時間見続けるとほとんどの人が目の乾燥、疲れ、かすみなどを自覚します。
パソコンを使って長時間仕事をした後にスマホやテレビを見ていると目としては全く休む暇を与えてもらっていません。
これで疲れるな乾くなというほうが無理です。
最近ではスマホ老眼という言葉も登場するほどの社会現象になっています。
当院では患者さんの症状、ドライアイの程度に応じて点眼処方をするとともに、
生活習慣病ともいえるドライアイにどのように付き合っていくかということを患者さんの立場でお話しています。
メガネ合わせ
ライフスタイルによってどのようなメガネが最適かは一人一人違います。
一つのメガネですべての生活環境をカバーしようとする方もいれば、運転用・運動用などシチュエーションに応じて複数ののメガネを希望される方もいらっしゃいます。
また、遠近両用(多焦点レンズ)メガネでも遠近どちらを重視するかでも変わってきますし、パソコンを使うデスクワーク用の中近~近近両用メガネなどもあります。
当院では患者さんのお話しを伺いながら最適なメガネを提案させていただいております。
メガネのご相談の時はお使いのメガネをぜひお持ちください。処方の参考にさせていただきます。
さらに、弱視眼鏡、プリズムメガネ、遮光眼鏡などの特殊メガネの処方もしております。お気軽にご相談ください。