テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 花粉症2024とお米その後 2024.03

ようやくスギ花粉の飛散がピークを越えてきましたが、4月になるとヒノキ花粉の飛散がピークを迎えます。いくら注意して準備しても症状がなくなることなく花粉症でつらい方の戦いはまだまた続く季節です。

花粉症は患者さんがつらいだけでなく、社会的にも大きな損失であることが報告されています。パナソニックは「花粉症による労働力低下の経済損失額2024」を公表しました。同社が花粉症の社会人に花粉症の症状が自身の仕事のパフォーマンスに影響しているかを聞いたところ、79%が影響があると回答したそうです。また、一日のうちパフォーマンスが低下しているのを感じている時間は平均で約2.8時間だそうです。これにいくつかの統計をかけ合わせて計算すると一日当たりの損失額は約2340億円!だそうです。

仕事のパフォーマンスに影響を与える症状は「鼻水」「鼻づまり」「くしゃみ」と鼻の症状が上位を占めています。最近では仕事の能率低下を補うために「花粉症手当」を支給する企業や、花粉症で医療機関を受診したときの診療費や薬代の補助、ティッシュやマスクの配布を行っている企業も増えてきているそうです。

政府広報オンラインでも同じようなことが掲載されていて、日本国民の3人に1人がスギ花粉症にかかっており、花粉症患者の89%が仕事のパフォーマンスの低下につながると感じている。職場では83%が何らかの花粉対策を行っており、13%の職場が従業員のために対策を行っているそうです。

以前のコラムで紹介していた、自動測定器を使ってリアルタイム花粉情報を提供していた環境省の「花子さん」は事業廃止になっていて現在は利用できません。PM2.5や光化学オキシダントなどの大気汚染物質広域監視システムの環境省「そらまめくん」は利用可能です。

以前のコラム「目指せ!お米を食べて花粉症治療」で紹介した花粉症緩和米は行政がこの米を「医薬品」とする判断をしたため、お米として販売できなくなりお蔵入りしていたみたいです。食品としての扱いなら「機能性表示食品」として商品化できる可能性があったのです。 少人数での臨床試験の結果も良好で、遺伝子組み換えなので花粉症緩和に必要なアレルゲン以外の不要あるいは有害な成分を除くことができるので副作用も問題にならなかったそうです。

昨年の岸田首相肝いりでまとめられた花粉症対策に盛り込まれたようで、できれば「機能性表示食品」として、どうしても「医薬品」にこだわるならどこかの製薬会社から販売できないものでしょうか? 相変わらずの規制の強い縦割り行政にはうんざりします。