テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 目指せ!お米を食べて花粉症治療 2021.02

花粉症の方にとっては憂鬱なシーズンが始まろうとしています。 花粉アレルギーに対する治療は対症療法が主流で、ステロイドをはじめとする抗アレルギー薬の点眼を行い症状の軽減を図ります。

対症療法とは別に根本的な治療を目指すアレルゲン免疫療法があります。 これはアレルギーの原因物質(アレルゲン)を反復して投与し、アレルゲンに体を慣れさせアレルギー反応を起こさない体質に改善する治療法です。 以前からあったのですが、初期の治療は皮下注射が必要で副作用や煩雑さなどの面で普及しませんでした。 この欠点を克服するためアレルゲンを口の中に含む舌下免疫療法が開発されました。 比較的副作用も少なく、スギ花粉アレルギー、ダニアレルギーの治療として保険適用されています。 有効率は60~80%ですが、3~5年間毎日根気よく治療を続ける必要があるのでどうしても継続率が低くなってしまいます。

いま研究開発中なのは、遺伝子組み換え技術を使いコメにアレルゲンを発現させてそれを食べることでアレルゲン免疫療法を行おうという試みです。 日本人の主食であるコメなら1日1食食べることに無理はありません。炊飯しても効果が変わることなく副作用も少ないそうです。 遺伝子組み換え作物といえば、アメリカの大豆やトウモロコシを思い浮かべます。 これは干ばつや病害虫に対する耐性を高め、収穫量を安定して高く保つのが目的です。 遺伝子組み換え作物に対しては良い印象を持っていない方も多いのですが、こんな着眼点があるとは思いませんでした。 私も軽い花粉症があるので、実用化される日が来るといいなと思っています。

花粉情報はいろいろなサイトで有料あるいは無料で情報提供されています。 私がよく見るサイトは「花子さん」という環境省のサイトです。 阪神地区にも測定局があり1時間ごとの飛散花粉量を測定・更新しています。 三宮近辺の花粉量の予測にも参考になります。