オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 世界緑内障週間 2016.03

3月6日から12日までは世界緑内障週間です。 これは2008年から行われている世界的なイベントで、毎年3月上旬に世界各地でそれぞれの国に合わせたイベントや啓発活動が行われます。

これまでも、緑内障啓発活動として市民講座や検診などを行ってきました。 しかし、病気に関心のあるかた、医療関係者、患者さんやその家族の方などどうしても活動範囲に限界がありました。 そこで、数年前から試験的に数か所のランドマークをライトアップしてみたところ、テレビのニュースや新聞などで取り上げてもらえるようになり、 「ふーんそんなことしてるんだ」と病気に関心のなかった方々にも緑内障を知ってもらえる機会が増えました。 そこで今年は規模を拡大して全国各地のランドマークでライトアップがあるようです。

神戸ではポートタワーが9日から11日の日没から午後11時半まで、MOSAIC大観覧車は同日同時刻の00分と30分から3分間ライトアップされるそうです。 緑内障という病名にかけてグリーンにライトアップです。病気に関連したライトアップは乳がんの啓発活動であるピンクリボン運動でピンクにライトアップされるのがよく知られています。

残念ながら緑内障は日本では中途失明原因の第一位ですが、緑内障に対する診断技術は格段に向上し、治療薬の選択も広がっています。 早期発見早期治療さえできれば、深刻な視機能低下ひいては失明に至ってしまう患者さんを大幅に減らすことができると考えています。 ただ、緑内障の初期症状が痛みや視力低下など自覚しやすい症状ではなく、視野のごく一部の感度低下という自覚できない症状が「忍び寄る」病気というとても厄介な特徴があります。 しかも40歳以上の20人に1人が罹患する、決してまれな病気でもありません。 このようなイベントを機に自分が緑内障患者だと気づいていない方に、緑内障という病気があることを知っていただき、眼科検診や眼科医へ相談のきっかけになればと願っています。 一人でも多くの早期発見が世界緑内障週間の目的です。