テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 まつげ・さかまつげ(さかさまつげ) 2022.03

まつげは本来眼球に当たらない向きに生えているのですが、いくつかの原因のため目の表面に当たってしまっているのがさかまつげです。 あまり役に立ってなさそうに見えるまつげにも大切な役割があります。

  • 上からほこりや小さい虫が目に入るのを防いでいる。
  • 空気の流れを作って涙の蒸発を防ぐ役割がある。
  • 何か異物がまつげに当たると目を閉じようとする反射のきっかけになる。
  • などです。マスカラやマツエクしているとこれらの貴重な役割が減じてしまいます。ドライアイで困っている方は化粧方法を考え直してみてはいかがですか?
    さかまつげは「睫毛乱生」、「睫毛内反症」、「眼瞼内反症」の3つの病名を含んだ表現だそうですが、 私は睫毛乱生に対してさかまつげ、あとの2つは内反症として患者さんに説明することがほとんどです。

  • 「睫毛乱生」
  •  まぶたには異常がなく、何本かのまつげが目に向かって生えている状態です(図1)。 まぶたの縁に起こった炎症や老化などで生え際が乱れることが原因です。治療はさかまつげを抜くか毛根を処置して脱毛するかです。
  • 「睫毛内反症」
  •  乳幼児で皮下脂肪が多くぷっくりした下まぶたが、まつげの列を目のほうに押し向けている状態です。 赤ちゃんが泣いた後にまつげが目に当たっているのはこれが原因です。年齢とともに改善することがほとんどなので、強く当たってなければ経過観察です。
  • 「眼瞼内反症」
  •  老化などでまぶたを支えている組織や筋肉が衰え、まつげだけではなくまぶた全体が内側にめくれこんでいる状態です(図2)。 眼瞼内反症でまつげを抜くと、きれいに抜けずに短くなったまつげや生え変わった短いまつげが目を傷つけかえって不快な症状が強くなることがあります。 不快な症状が強くなければ経過観察ですが、手術治療が原則です。