オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集  結膜下出血 2017.09

白目が赤くなる原因は充血と出血という2つがあります。充血とは白目やその上にある結膜にある血管が拡張して赤みが増す状態です(図1)。 出血は血管から何らかの原因で血液が漏れだして赤く染まっている状態です。 結膜と白目の間に出血した血がたまって赤く見えるのが結膜下出血で、普段の診療でもよく見かける疾患です(図2矢印)。

結膜下出血は見た目が充血より派手ですが、ほとんどの場合病的な意味はありません。 原因はよくわからない(特に気にする必要もない)ものがほとんどですが、目をこすったり、コンタクトの付けはずしなどの機械的な刺激や、 ドライアイや結膜弛緩症(白目の上の結膜が老化などでたるむこと)などの眼の表面のコンディションの悪化でも起こりやすくなります。

赤いだけで痛みや目やになどほかの症状がなければ気にする必要はありません。皮下出血と同様に自然と吸収されてなくなりますので、基本的には薬は不要です。 ただ、出血だけではなく眼の表面に傷が付いていたり、炎症を起こしているような場合はそれに対する目薬を処方することがあります。 また、心臓病や脳梗塞の後で出血が止まりにくくなるお薬を服用されている方だと、結膜下出血の量が多くなることがありますが、それでも内服を中止していただく必要はありません。

当院では結膜下出血で受診される方に対して、結膜下出血とは関係のない病気が潜んでいないかどうかをしっかりチェックさせていただいております。 時に緑内障や黄斑変性症などの病気がたまたま見つかり「早期発見・早期治療」に結びついたケースもあります。 結膜下出血そのものはあまり心配ありませんが、本当に大丈夫かどうかの念のためのチェックと、これをきっかけに眼の検診を受けていただくいい機会かもしれません。