眼瞼下垂 2023.05
上まぶたが下がってくることを眼瞼下垂といいます。重症筋無力症などの病的なものや、先天性眼瞼下垂もありますが、多くは加齢やコンタクトレンズ装用が原因です。図のように下垂の程度によって軽度・中等度・強度に大別されます。両目のことも片目だけのこともあります。 原因としては挙筋腱膜という、上まぶたを上にあげる筋肉(眼瞼挙筋)とまぶたをつないでる組織が伸びてしまうことです。伸びた分だけまぶたは下がってしまいます。
コンタクトレンズ装用者での眼瞼下垂は、ハードコンタクトレンズをはずすときにまぶたを強く引っ張りパチンと弾き出すようにはずす、ソフトコンタクトレンズをつけるときに指で上瞼を大きく開いて行う、という挙筋腱膜を引っ張り伸ばすようなストレスを長期間続けると起こりやすくなります。まぶたを強くこする癖のある人も挙筋腱膜にストレスがかかり、眼瞼下垂の原因になることがあります。
一番多いのが加齢によるものです。年齢とともに腱膜が薄くなって伸びてしまうのが原因です。また、まぶたの皮膚にはりがなくなり強くたるんでかぶってくる眼瞼皮膚弛緩も時々見かけます。こうなると、「目が小さくなった」「まぶたを指であげると明るく見える」「視界が狭い」「意識して大きく見開かないと見えにくいので目が疲れる」などの症状が出てきます。
上まぶたが薄く、軽度の方なら二重まぶたを作るための接着剤やテープが薬局で売っているので試してみるのもいいかもしれません。ただ、加齢によるものに対しては有効でないことがほとんどで、手術を行うことになります。当院の患者さんでも手術を受けて楽になったと喜んでいただいている方がいらっしゃいます。当院では手術を行っていないので、病状の説明と手術を担当してくださる先生の紹介になりますが、お気軽にご相談ください。