コラム集 光感受性発作 2013.01
番組の初めに「テレビは部屋を明るくして離れてみてください」あるいは記者会見などでフラッシュがたかれたときに「画面が明滅するので注意してください」などの字幕が出るようになりました。 これは光感受性発作を起こす可能性があるときに注意喚起するためのものです。
これはポケモン事件あるいはポケモンショックと呼ばれる出来事からのことです。 ご記憶の方も多いと思いますが、ポケモン事件とは1997年12月に放映されたテレビアニメ「ポケットモンスター」の1場面で画面が赤―青の明滅を繰り返し、それを見た子供たち約700人が頭痛、吐き気、めまい、目の不快な症状などの症状を訴えた事件です。 実はそれ以前からテレビ視聴などが原因で同様の症状を訴えることがあったのですが、あまり社会問題化することはありませんでした。
光感受性発作を起こしやすい視覚刺激が主に3つ挙げられており
1.10~30Hzの点滅
2.深赤色(620~710nmの波長)
3.幾何学図形(1~4c/deg)
です。これらが重なり合うことで発作がさらに起こりやすくなってしまいます。
これらの刺激はパソコンの画面やテレビ視聴でしばしば見かけ、実際この時に光感受性発作を起こす方が多く、さらに窓にかかっているブラインドやヘリコプターのローターを見ているだけでも起こる可能性があるといわれています。 中には自覚症状を光感受性発作と気づかずに、自律神経失調あるいは偏頭痛として治療を受けていらっしゃる方もいるかもしれません。 光感受性発作を起こしやすい体質かどうかの精密検査は眼科ではできませんが、ある特定の環境下で先ほどの症状が出るようでしたら注意が必要かもしれません。