コラム集 アレルギー性結膜炎とOTC類似薬 2025.11
アレルギー性結膜炎は近視や乱視などの屈折異常に次いで多い眼科疾患です。 日本国民の約45%が何らかのアレルギー性結膜疾患を持っているそうです。 その内訳はスギやヒノキなどに対する季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)が約35%、ダニやハウスダストなどの通年性アレルギー性結膜炎が約7%、 重症の春季カタルやアトピー性角結膜炎が4~5%です。
花粉症は国民病といっていいような疾患ですが、かゆみなど眼の症状のほかにもに鼻水、くしゃみ、頭重感、集中力の低下などいろいろな不愉快な症状が出ます。 パナソニックが2025年に発表した調査では、花粉症による労働力低下の経済損失額はなんと1日当たり2320億円だそうです! 出勤していても集中力の低下などにより仕事のパフォーマンスに悪影響が出て、1日当たりの労働時間に換算すると2.8時間に相当する損失だそうです。
2023年度の眼科領域の医薬品の総売上額が約4000億円で、そのうち抗アレルギー点眼薬の売上が約850億円に上るそうです。 これは黄斑変性治療のための注射薬(約1300億円)、緑内障治療点眼薬(約900億円)に次ぐ規模です。
政府は2026年度から段階的に「OTC類似薬」(市販薬と同じ成分を持つ処方薬)を保険給付対象から除外する予定です。 つまり薬局で購入できる医薬品は健康保険を使わずに自費で購入してもらう制度です。病院・診療所で処方箋をもらって購入するより割高になります。 国民医療費の削減を目指す制度ですが、抗アレルギー点眼薬のなかにはOTC類似薬があるものがあります。今審議中の計画がどうなるか心配です。
