オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集  神経眼科 2009.01

目の病気の中には眼科単独で治療を行うものと、眼科以外の科と連携をとりながら治療に当たるものとがあります。前者の代表は白内障、後者の代表は糖尿病網膜症で神経眼科もこちら側です。神経眼科というのは大きく分けて2つの分野があります。

1.視覚伝導路障害

目に映った映像の情報を脳の現像所に当たるところへ伝達する経路、あるいは脳そのもののトラブルのことです。視力低下や視野欠損などの症状が起こります。

2.眼球運動障害

目がスムーズに動かなくなるため、両目が同じ方向を向いてくれなくなります。その結果見る方向によってはものが二つに見えたり(複視)、遠近感が乏しくなったりします。

いずれのトラブルも、高血圧・糖尿病・高脂血症など内科的な病気が背景にある方が多い、あるいは脳腫瘍・動脈瘤・脳梗塞などの脳外科・神経内科的な原因であることがある、さらには子供の場合小児科の応援を仰ぐことになるなど、眼科以外の科との連携が大変重要になる分野です。そのため、神経眼科は診療所レベルではなかなか診断をつけ診療を行うことが難しく、神戸市立医療センター中央市民病院で週1回金曜日に診療を行っております。

眼科医が診療を行う分野としては少し特殊なため神経眼科を専門とする医師は少ないのですが、いまは京都大学より専門とする先生が赴任されて2診体制で行っています。おかげで中央市民病院神経眼科外来としての診療体制にはかなり余裕が出てきました。しかしながらその一方で、当院の患者さんにはご迷惑をおかけすることがあると感じることもあるため、当院での診療に専念すべきかどうか思案している今日この頃です。