テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 まぶたがぴくぴく 2021.08

「まぶたがぴくぴくけいれんします」という症状で受診される方がいらっしゃいます。 決して珍しい訴えではなく、実は私も時々まぶたがぴくぴくすることがあります。 最近では3年前に診療所を引越したときにはその前後1か月はほとんど毎日まぶたがぴくぴくしながら診察していました。 それ以前でも時々ぴくぴくすることがあり、場所は必ず左下まぶたでひどい時には世界が揺れて見えるような錯覚を覚えたこともありました。

私の場合も含めほとんどの方は片眼性でいつの間にか始まり、長くは続かずに終わってしまいます。これは眼瞼ミオキミアという症状です。 眼精疲労や身体的、精神的なストレスが原因といわれています。私の場合も診療所の引越などのストレスが原因だったと思います。 ストレスが軽減されれば症状は改善しますし、治療が必要な病的サインではありません。

自分の意思とは関係なく、両眼性にまぶたを含む目の周りの筋肉がけいれんしてしまい、目をあけようと思ってもあけにくくなってしまう症状を眼瞼痙攣といいます。 当院でも「目を開けようとしても両目とも自然と閉じてしまい、運転が危なくてできない」と受診された方がいらっしゃいました。 普段は何気なく行っているまばたきがうまくできなくなってしまう病気で、目が開けづらいという症状に加え、まぶしい、乾く、ゴロゴロするという症状も出ることがあります。

原因はまばたきをコントロールする脳の部位の変調によると考えられていますが、通常MRIをとっても異常を認めません。 ただ、パーキンソン病の症状として出たり、脳梗塞後の後遺症として発症することがあります。また、抗不安薬や睡眠導入薬の服用が原因のケースもあるので注意が必要です。 治療法としては薬剤性であれば減量・中止を図ります。 根治療法は残念ながらないので症状を和らげるために、ボツリヌス療法、遮光眼鏡やまぶたを持ち上げる仕掛けがあるクラッチメガネ、薬剤療法などを行います。