私メガネ持っていません！　2015.11

当院ではコンタクトレンズの販売・処方は行っておりませんが、コンタクトレンズ装用に関連するトラブルの治療は行っております。

「コンタクトつけたまま寝たら瞼が腫れて目があきません」　 「仕事が忙しくて徹夜に近い生活が続いたら、コンタクトが痛くて装用できません」 「ネットでカラコン買ってつけたら痛くて目が開けられません」などの訴えで当院を受診される方がいらっしゃいます。

カラコンのトラブルは以前のコラムでも触れましたが、今になっても消費者（コンタクトレンズ購入者）保護の観点から制度が改善されたようには思えません。 購入したコンタクトレンズが目に障害を与える粗悪品ではないかどうかの確認を受けることなく、 さらに装用方法の指導を受けることもなく使用している方が少なくないようです。 どうしてこんなにひどくなるまで無理して使い続けてしまったのかと、思わず説教したくなるような無茶苦茶な使い方をしている方もいます。

カラコンに限らず、通常のコンタクトレンズでもつけたまま寝るという規定外装用をしたり、 目のコンディションがよくないのに無理に装用を続けると、最初に例としてあげた方のような状態になってしまいます。 目の表面にコンタクトレンズという異物が乗っていて、瞬きや目が動くたびに擦れるのです。 パソコン・スマホ・テレビ・運転など目にストレスがかかりやすい作業を長時間行うと、コンタクトレンズを受け付けない状態になっても何ら不思議ではありません。

コンタクトレンズ装用がトラブルの原因なのでまずはコンタクトレンズをはずして生活していただく必要があります。 コンタクトレンズをはずして目の表面のダメージ回復を待つだけでいい方なら、 しばらく眼鏡で生活していただければ、またコンタクトレンズが使えるコンディションまで自然と回復します。 目や瞼の炎症が強かったり、角膜潰瘍など細菌感染を起こしたりしている方であればしっかりした治療がある程度の期間必要になります。

装用がつらいにもかかわらず、無理やりコンタクトレンズをつけて受診された方に、 「目の表面が傷だらけで、瞼も眼も炎症を起こしています。コンタクトレンズは厳禁です。 これ以上無理すると視力障害残すので、今すぐコンタクトレンズを外して治療しましょう。」 とお伝えすると、眼鏡を持ってないあるいはだいぶ前に作ったメガネなのでかけても見えないといわれる方が時々いらっしゃいます。 眼鏡を急いで作ってもらうにしても、こんな眼のコンディションが悪い状況で適切な眼鏡処方をできるはずがなく、 眼鏡処方しても当日すぐに出来上がるとは限りません。 コンタクトレンズをつけ続けると視力障害が残りそうな目に対し、コンタクトレンズを続けてもらうわけにもいかず、 かといってコンタクトレンズなしの裸眼で見えないまま生活できるはずもありません。こうなると私も患者さんもお手上げです。

もしこのコラムを見ている方で、コンタクトレンズが使えないときのバックアップ用の眼鏡を持っていない方がいらっしゃったら、 安いのでいいですから必ず１つもっておいてください。いざという時にあなたの目を護る大切なツールです。