コラム集 まつ毛美容液 2019.09
以前のコラムでもまつ毛の育毛目的で緑内障治療薬が転用されて問題が起こっていると注意を呼びかけましたが、 今年8月に国民生活センターから「まつ毛美容液による危害が急増!」という注意喚起がありました。
まつ毛美容液とはまつ毛につや、こし、はりを与えるなどの効能をうたう美容液のことで、化粧品の一つです。 化粧品は薬としての効果効能を持つ成分を含んではいけません。 まつ毛美容液として正規に作られているものであれば、誤って目の中に少量入っても刺激があるぐらいで大きなトラブルになることはないと思います。
しかしまつ毛美容液として販売されている製品の中には化粧品の範囲を超えた成分が含まれているものがあり、 これを使用してしまったため瞼や目に障害が出たという報告が2018年度から急増しています。
まつ毛の育毛・増毛効果をうたう製品もありますが、医薬部外品として承認されているまつ毛の育毛・増毛用の美容液はなく、化粧品としての美容液にはその効果はありません。 誇大広告のものもありますが、問題なのは医薬部外品である頭皮用育毛剤の成分が含有されている製品です。 これは瞼への使用は認められていません。頭皮と瞼の皮膚は同じではありません。 瞼の皮膚は薄く、裏側は結膜というとてもデリケートな粘膜に移行します。薬品の吸収スピードや、皮膚を守る皮脂の成分も分泌量も違います。 使えば当然トラブルの起こる頻度は増えてしまいます。さらに瞼周囲のトラブルだけでなく、角膜炎や結膜炎を起こすことも報告されています。
育毛剤だけではなく、アルコールや植物由来の成分がアレルギーや炎症の原因になることもあります。正規品でも合わないと思ったら速やかに使用を中止してください。 上記のサイトには契約・解約、販売方法にも問題が多いことが書かれています。まつ毛美容液を使っている方はぜひこのサイトをみて注意してください。