テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 マイナ保険証・・・ 2024.01

政府は今年12月2日に現行の紙の保険証を廃止することを決めました。 移行措置として1年間は現行の紙保険証の利用を認めるそうです。 ただ利用率はとても低く、ピークですら4月の6.3%でそこから7か月連続して低下して11月には4.34%だそうです。 当院の利用率も印象としてはそんなものかなという感じです。

政府は個人情報の紐づけを誤るなどで低下した信頼性を回復し、マイナ保険証が利便性の向上や質の高い医療につながることを周知したいというコメントです。 利用率が低下している原因が信頼性の低下と思っているようですが、私としては「違うんじゃない?」という感じです。

ご高齢の患者さんにとってはなかなか使いづらいシステムだと思います。 まずマイナ保険証をカードリーダーの所定の位置にセットしないといけないが裏表が逆の時は認識しない。 顔認証を選択したら撮影中はしばらくじっとしていないとエラーになってやり直し、暗証番号を選択すると3回失敗するとロックがかかり利用ができなくなる。 受診するたびに毎回いくつかの同じ質問が繰り返される。 質問が終わった後にエラーメッセージがでて最初からやり直しになることがある。

患者さんの中には「毎回毎回面倒くさい。紙の保険証なら出すだけなのでこれからはマイナ保険証は使わない」という人がそれなりにいらっしゃいます。 だんだん利用するのが面倒くさくなってしまい、じりじりと利用率が低下しているのだと思います。利便性の悪さが利用率の低下につながっています。

一人の患者さんが手続きを終わるのに慣れてないと結構時間がかかります。 途中で何かあっても職員が代行することはできません。 これを全員で一列に並んで手続きするのは時間の無駄のような気がします。 診療所レベルであればカードリーダーは基本的には1台です。 初診時に健康・医療情報を利用していいという同意書を紙でもらっているのに何度も同じ質問を繰り返すのは理解できません。 デジタル化を推進するマイナ保険証の同意書を紙でもらうのもどうかと思います。 マイナ保険証を最初に使うときだけ画面で同意するかどうかを聞くだけでいいはずです。 同意しなくても情報をビッグデータとして利用できないだけで診療を受けることには何の問題もありません。 同意しないという方のみ毎回同意するかどうか聞けばいいと思います。

お店の支払いでクレジットカードを使うとき、カードリーダーに差し込めば少額であれば何もせずに決済が完了します。 同じシステムにしないと誰も使わないと思います。 顔認証が必要なら職員にマイナ保険証を提示するだけで確認できます。 マイナ保険証に統一するならお店のクレジット決済と同じようなもっと簡便なシステムにしないとだめです。患者さんにとっては紙の保険証なら提示するだけで手続きは終わりです。