コラム集 エクステとまつ毛パーマ 2013.03
まつ毛パーマとまつ毛エクステによる瞼や目の障害が増えています。 当院でもこれらが原因で受診される方が増えていますし、「花粉症かも」と言って受診されたらエクステで使われた薬液による障害だったりします。 視力障害が残ってしまうような深刻なトラブルに至ることはほとんどありませんが、せっかくのエクステがかえって美容面で困ったことになってしまいます。
これらは美容師法で美容師以外の施術を禁じていますが、どうやら無資格者が行っている店舗があると新聞やテレビで報道されています。 また、施術方法や使用薬液にはっきりした基準があるわけではないようです。
まつ毛エクステ
・人工まつ毛をつける接着剤は瞬間接着剤と同類の成分です。 接着剤が直接瞼についたり、その蒸気が目の表面に触れたりすることにより強い炎症がおこることがあります。
・人工まつ毛が脱落する際に毛先が目に当たり充血や痛みの原因になることがあります。
・接着剤の毒性により自分のまつ毛が抜けてしまい、かえって美容的に問題が出ることがあります。
まつ毛パーマ
・ 頭髪用のパーマ液を流用しているところがあるそうです。 まつ毛用のパーマ液も成分は頭髪用のものと大きくは変わらないのですが、いずれにしてもまぶたや目の表面にダメージを与えることがあります。
「エクステしてから痛みが取れない」といってエクステ当日こられた方で、つけまつ毛が目につき立つように付けられていたり、 店員に勧められるまま追加料金を払って「目やまぶたにやさしい液」を使ってエクステを受けたところ、瞼がかぶれて真っ赤に腫れてしまったりというかわいそうな方々もいらっしゃいました。 料金の安さなどだけで安易にお店選びをされないようにしていただきたいのと、そもそも眼科医としては全くお勧めできないものであることはご理解ください。 また、トラブルかな?と思って受診されるときは必ずエクステやまつ毛パーマを受けたことを眼科医にお伝えくださいますようお願いします。
まぶたの縁にはまつげしかないように見えますが、まつ毛以上に重要なマイボーム腺という組織がまつ毛よりさらに内側に1列に並んで存在しています(図の矢印)。 ここからは粘液や油など眼の表面に涙をなじませる成分が分泌されています。 これが機能低下や詰まってしまって分泌量が減ると、ドライアイや眼の炎症が起こりやすくなります。 エクステやパーマだけでなく、まぶたへのお化粧は少し控えめの方が良いかもしれません。