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コラム集 傘の持ち方 2023.06

梅雨に入り傘を持って外出する機会が増えました。 周りの人に迷惑をかけないように、傘の持ち方にはいくつか注意することがあります。 例えば傘を人のほうに向けて開いたり、水しぶきを振りまいたりするのはマナー違反です。 持ち方で特に気を付けていただきたいのが、傘を横に持って歩くことです(図)。 腕を振ることで傘が前後に動き周りの人に危険が及ぶことがあります。 大人が横に持って歩くと子供の顔の高さになることもあります。 エスカレーターや階段などでは後ろの大人の顔の高さになることもあります。 傘の先が目に当たれば大変なことになります。 失明などの深刻なトラブルに至らなくても、目の表面に軽くあたるだけで、角膜や結膜に傷をつけ強い痛みの原因となります。 さらに強く当たると、その衝撃が目の中に伝わり白内障、眼底出血、網膜剥離などの原因になる可能性があります。

平成13年の東京都生活文化局消費生活部の調査ですが、 都内15歳以上の男女3000人のうち、42%にあたる1260人がたたんだ傘でのヒヤリハット経験があると回答があったそうです。 そのうち約60%が階段やエスカレーターの前の人が傘を水平に持つ(振る)ような状況で経験したそうです。 顔や目に当たりそうになって怖かった、膝や胸に当たって痛かったなどです。

傘は柄の部分を持ち、地面に垂直に持つようにしてください。 大きな傘だと引きずるような持ち方になるのでつい傘の真ん中をつかんで横に持ちたくなりますが、その時でも横ではなく縦に持つようにしてください。 けんかなどで意図的に傘で目をつき失明させた事件もあります。傘が凶器になることを意識して正しい持ち方を心がけてください。