オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 ホームドクターのすすめ2 2016.05

今年4月1日より保険診療のルールが変更になり、紹介状なしに大病院や大学病院を受診すると、 初診時に5000円、再診時に2500円がその時にかかった診察料に加算されるようになりました。 もちろん救急の患者さんなど例外規定は設けられてはいますが、大病院に患者さんが集中することを防ぐのが目的です。 診療所などのかかりつけ医と大病院の専門医との役割分担をより明確にし、大病院の先生は専門的かつ高度な医療に専念し、 診療所の先生はかかりつけ医として患者さんの健康管理を細やかに行っていくというものです。 かかりつけの先生が精密検査が必要と判断すれば、その根拠などを書いた紹介状を持って受診していただけるので、大病院での検査・診察がよりスムーズに運ぶメリットがあります。

   

大病院での治療が終わり、「今後はかかりつけの先生のところで診てもらってください」とかかりつけ医への紹介状をもらっているのに、 受診し続けようとする方に対して再診ごとに診察料に加え2500円加算されるようです。 この再診加算に関してはひょっとしたら各病院ごとに少し運用規定が違うかもしれません。 例えば再診予約日に受診できず、別の日に予約外として受診したときには2500円の追加加算はないと思いますが、 予約日から何か月もたってしまうとひょっとしたら追加加算が課せられるかもしれません。

神戸大学病院や中央市民病院は間違いなくこのルールが採用されているとおもいますが、 受診されているあるいは受診を希望している病院がこの規定に当てはまるかどうかは直接病院に問い合わせてみてください。 ちなみに当院は予約制ではなく来院順になっております。混雑時にはご迷惑をおかけしておりますが、空いているときは待ち時間なしです。 手術や高度医療が終わった後の細やかなアフターケア、 白内障・緑内障・黄斑変性症・糖尿病網膜症などの慢性疾患の経過観察は何か気になることが起こった時にフットワーク軽く気軽に相談できるホームドクターがいれば安心です。

最後になりましたが開院した時(2007年10月)に書いたコラム「ホームドクターのすすめ」をそのまま掲載します。 久しぶりに読み返してみましたが今でも立派に通用する内容だと思います。

みなさんはかかりつけのドクター(ホームドクター)を決めておられるのでしょうか? 神戸市立中央市民病院勤務中にも多くの患者さんの診察をして参りましたが、 中央市民病院のような大病院と日頃受診しやすいホームドクターをうまく使い分け・利用されていらっしゃる方は少数だったと思います。

結膜炎など1−2回の受診で大抵は良くなってくれるような病気ならいいのですが、生涯にわたって上手につきあっていく必要のある眼の病気もあります。 その代表的なものは緑内障、糖尿病網膜症などです。 このような病気の場合、調子の悪いときには大きな病院での検査あるいは手術が必要になることもありますが、 調子のよい時期にはホームドクターで診察・治療を受けられることをお勧めします。

大きな病院でないと不安だという方もいらっしゃると思いますが、 大病院とホームドクターををうまく使い分けることによって今受けている治療が適切かどうかを複数の医師に判断してもらえるというメリットがあります。 また、病状が変化したときにはホームドクターに臨機応変に対応してもらいその評価を大病院の先生に求めるということもでき患者さんにとって大きなメリットがあると思います。 いってみれば大病院の先生とホームドクターとが情報を共有しながら、患者さんにとっては自動的にセカンドオピニオンを求めているようなものなのです。

以前、目の愛護デーで「しのびよる正常眼圧緑内障」というお話をさせて頂いたときにもお話ししましたが、 病気が急変したときに気軽に受診出来るかかりつけ医を持っているということは大変便利だと思います。 特に仕事の都合上、平日の午前中にはなかなか時間を作れないような働き盛りの方はなおさらです。 調子悪いのに受診せず予約日まで我慢して病状を悪化させてしまう方もいらっしゃいました。 特に緑内障の場合いったん病状が悪化して視野狭窄が進行してしまうと二度と元には戻りません。 少しずつの無理・我慢でも何十年間分もためてしまうと大きなトラブルになってしまいます。 お住まいや職場の近く、あるいは通勤中に立ち寄れるところでホームドクターをお決めになることをお勧めします。 もちろんこれは眼科以外にも当てはまりますので是非考えてみてください。