コラム集 花粉症(花子さん)とPM2.5(そらまめ君) 2019.02
今年の花粉情報が始まり、そろそろ花粉症の方には憂鬱なシーズンがやってこようとしています。 このあたりの飛散量は平年並みとの予想です。 昨シーズンは症状が軽く済んだ方が多く、今年もそう願いたいものです。 今週に入ってから少しずつ花粉症と思われる方の受診が増えてきました。
眼アレルギー学会では、花粉が本格的に飛ぶ前から予防的に抗アレルギー点眼薬を使用することを推奨しています。 これで完全に予防できるわけではありませんが、少しでもアレルギー反応を抑え不愉快な症状を緩和しようという考えです。 それでもかゆみなどの症状が抑えきれないときはステロイドの点眼を併用することになります。 ステロイド点眼に抵抗のある方もいらっしゃいますが、副作用のあまり心配のない物もありますし、かゆみを我慢するより必要なときにしっかり使用した方がよいと私は思います。 眼にカップを当てて洗眼するような物が市販されていますが、それをするなら私は防腐剤が入っていない安価な人工涙液をたっぷり滴下して洗眼することをお勧めします。 眼の表面にもともとある必要な成分を出来るだけ残しながら花粉のような異物を洗い流すよい方法だと思うからです。 花粉の飛散が多いときには、花粉を落として上着を脱いでから家にはいる事が勧められています。 それと同じように玄関で眼の表面の花粉を目薬で洗い流してから家にはいるというのもありかもしれません。
花粉情報はいろいろなサイトで有料あるいは無料で情報提供されています。 私がよく見るサイトは「花子さん」という環境省のサイトです。 この近くでは兵庫区荒田町と西宮市北山町に測定局があり1時間ごとの飛散花粉量を測定・更新しています。 三宮近辺の花粉量の予測にも参考になります。
花粉情報に加えもう一つの関心事はPM2.5です。 中国や韓国での報道を時々見かけますが、最近ではタイのバンコクで学校が休校になるほどの危険な濃度に達したという報道がありました。 PM2.5とは大気中に浮遊している直径2.5μm以下の小さい粒子のことを指し、特に喘息などの呼吸器疾患に対する悪影響が心配されています。 PM2.5の成分は物が燃えた後の燃えかすであったり、工場などから排出される窒素酸化物(NOX)や硫黄酸化物(SOX)などが大気中で化学反応を起こして粒子になったものなので、 眼科的にもアレルギーや炎症反応を起こす原因物質となります。 花粉飛散の時期と重なることもあり、花粉症の重症化が懸念されます。
このPM2.5に関する情報はそらまめ君(環境省大気汚染物質広域監視システム)で見ることができ、神戸市内でも各区に観測地点があります。 環境省はPM2.5の解説を含め「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」というサイトを立ち上げて別枠で掲載しています。 そらまめ君はPM2.5以外のいろいろな大気汚染物質の濃度も測定しており、NOXやSOXも掲載されています。