オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集  ジェネリック医薬品 2007.10

新薬は大変な時間と労力そしてお金ををかけて開発され、特許により保護されます。ジェネリック医薬品とはその新薬(先発品)の特許が切れた後に発売される、同じ効き目で値段の安い後発医薬品のことです。

薬価としては先発品に比べ1/3から2/3程度の値段になることが多く、患者さんの負担軽減につながります。とくに緑内障などの慢性疾患で長期にわたりお薬を必要とする方にとっては朗報です。ただし、薬そのものは同じでも中に添加されている成分は微妙に異なることがあります。それが原因で先発品では起こらなかったアレルギー反応や角膜障害が起こる方がまれにいらっしゃいます。また、全ての先発品にジェネリックがあるわけではないのでその場合は選択の余地はありません。

先発品としての実績を評価されてそれを使いたいという方もいらっしゃるでしょうし、経済的な負担を考えてジェネリック医薬品を使いたいという方もいらっしゃると思います。ジェネリックに関しては、発売されてから時間がある程度経過し、効果や副作用に関する情報が蓄積されて先発品と同等と考えられる製品であれば使用してもいいのではと考えています。 ただ、薬そのものの特許のほかに製造に関する特許などもあり、同じ成分を使っても本当に同一の製品が作れるかどうかなどいくつか気になる点があるのも事実です。

先発品からジェネリックへあるいはジェネリックから先発品へとお薬を変更する場合は上記のようなケースもあるので切り替えに問題がないかどうかのチェックは必要です。また、大病院ではジェネリック医薬品を採用していないところも多いので、複数の眼科から点眼処方を受ける場合には病院によって製品が異なることがあります。

平成20年の4月から医師の同意がなくても、患者さんの希望があればジェネリックに変更することが可能になりました。ほとんどの場合、何も起こらないのですが以前よりジェネリック医薬品の使用感が良くない、あるいは調子が悪いと言われる患者さんが増えました。ジェネリック医薬品そのものの問題点かどうかはわかりませんが、少し気になる現象です。今後注視していこうと思います。