コラム集 アイフレイル 2021.09
フレイルとは「加齢により心身が老い衰えた状態」で、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。 多くの方は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、 高齢者が増えている現代社会においてフレイルに早く気付き、正しく治療や予防で介入し、できるだけ介護が必要な状態にならないようにすることが大切です。
日本眼科学会では加齢による視機能低下を「アイフレイル」称し、それに対する啓発活動を行っています。興味のある方は学会から出ているPDFファイル をご覧ください。
その中にあるアイフレイル自己チェックリストです。
2. 夕方になると見にくくなることがある
3. 新聞や本を長時間見ることが少なくなった
4. 食事の時にテーブルを汚すことがある
5. 眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった
6. まぶしく感じやすい
7. まばたきしないとはっきり見えないことがある
8. まっすぐの線が波打って見えることがある
9. 段差や階段で危ないと感じたことがある
10. 信号や道路標識を見落としたことがある
2つ以上当てはまった人はアイフレイルかも?
若い人向けのチェックリストは
1. 目が疲れやすくなった2. 夕方になると見にくくなることがある
3. 若い頃より見にくくなったと感じる
4. 眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった
5. まばたきしないとはっきり見えないことがある
1つでも当てはまった人はプレアイフレイルかも?
私でも若い人向けのチェックリストで4項目該当します。 当たり前ですが何十年も前の若い時より視機能が低下していますし、ショボショボ・ゴロゴロ・目ヤニ・かすみ目など不快な症状は出やすくなっています。 ただそれが加齢による受け入れざるを得ないものなのか、治療が必要な疾患あるいは生活習慣改善である程度回復するものかは分けて考える必要があります。
ご高齢の方で、メガネをかければそこそこ見えるのにメガネをかけないで生活されている方が結構いらっしゃいます。 足腰が衰えたらつえや手押し車を使うのと同じように、安全かつ快適に生活できるようメガネは是非前向きに検討してください。足元の段差に気づかず転倒したら大変です。 見えづらいことも、緑内障などの視野障害、黄斑変性症のような網膜疾患が原因であればフレイルではなく治療が必要な病気です。 また、白内障による見えづらさであれば手術も選択肢になります。まずは適切なメガネを作ってそれでも見えづらければ眼科受診が必要です。
先ほどの不快な症状もドライアイが原因であれば点眼治療とともに、スマホやパソコンの長時間連続使用を避けるなどの生活習慣の改善が必要です。 コロナ感染症対策で外出する機会が減ると、家の中ではどうしても体より目を使う作業が増えるので体ではなく目が疲れてしまいます。目の休憩時間を意識してとるようにしてください。