コラム集 認知症と眼 2026.07
超高齢社会になり、認知症は大きな社会問題となっています。ランセット認知症予防委員会(注1)は2024年の最新版にリスク因子として
幼少期:
教育機会の不足
中年期:
難聴
高脂血症
うつ病
頭部外傷
運動不足
糖尿病
喫煙
高血圧
肥満
過度の飲酒
高齢期:
社会的孤立
大気汚染
視力障害
の14項目を指摘しました。
これらのリスク因子を管理することによって45%の認知症を予防または遅らせることができるとしています。
視力障害は日常生活に制約がかかるだけでなく認知症発症や進行のリスクになることが示されました。
種々の原因で視力障害をきたし、回復が困難な疾患も多く存在しますが、視力回復を提供できる最大の疾患は白内障です。 認知機能が比較的保たれている軽度認知障害(MCI)の時に白内障手術を受け視力回復を図れば、認知症になってから手術を受けるより2.85倍も認知機能が回復するという報告もあります。
高齢者のインターネット利用はリスク因子の中の社会的孤立の軽減などで認知症発症リスクが約50%低減することがわかりました。
視力の良い高齢者ほどインターネット利用率が高く、認知症発症リスクが低減するとの結果も出ており、やはり良好な視力はインターネットの積極利用、ひいては認知症予防につながっているようです。
認知症治療法が確立していない現在では、良好な視力を確保し上記のリスク因子を適切に管理することで認知症にならないように予防することが大切です。
(注1)医学雑誌ランセットが設置した国際専門家委員会で、認知症の予防・介入・ケアに関して最新エビデンスを体系的にまとめて世界に提言する組織です。
