テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 緑内障患者さんからの「日常生活で何か注意することありますか?」 2022.09

緑内障患者さんから「日常生活で何か気を付けることはありますか?」と質問されることがあります。 私はこれに対しては「特に気を付けていただくことはありません。普段通りの生活で結構です。」と答えています。 閉塞隅角緑内障の方の場合は、風邪薬や睡眠導入剤など隅角の閉塞を誘発するリスクのある薬があります。 ただ、閉塞隅角の方は閉塞している隅角を開放するというのが治療の原則です。 手術やレーザーで閉塞隅角の治療を行えばその後の日常生活は特に気を付けていただく必要はありません。 緑内障の方に限らず運動や姿勢など眼圧に関係するといわれていることが、いろいろとネットに掲載されています。 実際影響するものがあるのも確かです。しかしながら眼圧は日内変動や季節変動がありそもそも一定ではありません。 日常生活の中で一時的に眼圧への影響があったとしても、それが緑内障に影響するリスクは微々たるものだと思っています。

血圧が高いと眼圧も高くなりますか?と聞かれることもありますが、原則関係ありません。 たとえは有酸素運動をすると一時的に血圧は上がりますが、眼圧は下がるといわれています。 高血圧症と緑内障との関連もあるという研究もあればないという研究もあり一貫した研究結果は出ていません。 ただ弱い相関、つまり高血圧症の方はそうでない方に比べわずかに緑内障になりやすいのではないかとは言われています。

実は高血圧より低血圧の方が緑内障になりやすいという結果が出ています。 夜間睡眠時に極端に血圧が下がる人は緑内障になるリスクがさらに上がるとされています。 これは眼圧との関連ではなく、低血圧による視神経の血流障害が原因ではないかと推測されています。 眼圧を上げる・下げるの二元論になってしまうと、緑内障に対して微々たる影響しかないであろう少しのしかも一時的な眼圧低下を求めてストレスフルな生活を強いられることになります。 毎日規則正しく点眼をしていただくことに気を付けていただければそれだけでいいと私は思います。