テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 新型コロナウイス感染症と眼科診療所 2022.08

厄介なことに最近新型コロナウイルス感染症患者が著しく増加しています。 先日、新型コロナウイス陽性で自宅療養中の方から「目の調子がおかしいから受診できないか?」という電話相談を受けました。 ビル内の診療所なので、特別に隔離ができる設備はなく、受診の際にビル内で働いている方へ感染拡大する恐れがあるため、申し訳なかったのですがお断りしました。 アイセンター病院で対応してもらえるかどうか問い合わせてみてはどうかとお伝えしましたが、受け入れていないという返事だったそうです。 眼科受診したことのある方はお分かりと思いますが、視力・眼圧などを測る機器や、診察に用いる検査機器など、多くの機材を用いて診療を行います。 感染拡大をしっかり防止できる部屋に、これらの機材を新型コロナウイス感染患者さん用に別で用意することは容易ではありません。 市中の診療所レベルではまず不可能ですし、大病院でも厳しいと思います。 「そんなしゃくし定規なことを言わず診てやれよ」というご意見の方もいらっしゃるとは思いますが2類相当の感染症では法律上そうはいきません。

尼崎で交通事故で救急搬送された患者さんが新型コロナウイス陽性だとわかり、 搬送先が見つからずに本人の同意のもの交通事故現場に戻ってそこで救急車から降ろすという問題がありました。 多くの方はひどいことだとお思いでしょうが、自分も感染するかもしれないというリスクを取りながら懸命に努力し、 それが徒労に終わった救急隊員の方々の無力感は推し量ってあまりあります。 2類相当の感染症を併発していると、救急隊にとっても患者さんにとってもこういう厳しい現実が起こりえます。 救急の現場に携わっているすべての方々の心が折れないよう願うばかりです。