オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 スクラブ洗顔料 2016.02

昨年末にアメリカで「マイクロビーズ除去海域法」という法律が成立しました。 これにより2018年6月からアメリカではマイクロビーズ入りの洗顔料や歯磨き粉の製造販売が禁止になります。 日本では1980年代からスクラブ洗顔料としてマイクロビーズの入った洗顔料が販売・使用されています。

眼科で問題になるのはこのビーズがまぶた(特に上まぶた)の裏側に入り込んで、まばたきするとビーズが目の表面にこすれて傷をつけてしまうことです。 激痛を起こすほどではないのですが目の表面はデリケートなため一粒入っているだけでもかなり不快な症状が続きます。 直径0.5ミリ以下の細かい粒子なので肉眼で確認することは難しく、おまけに透明なので眼科医が顕微鏡で見てもそのつもりでチェックしないと見落としてしまうような厄介な代物です。 一度入ってしまうといくら洗眼してもご自分で取り除くのは難しいかもしれません。

眼科では以前からこのような問題があったのですが、この法律が成立したのはマイクロビーズが深刻な海洋汚染を引き起こしているからだそうです。 マイクロビーズは小さすぎて下水処理の時に取り除かれず、そのまま海に流れ出てしまいます。 このビーズは有害な化学物質や重金属を吸着する性質があり、その汚染されたビーズを魚介類が体内に取り込んでしまい、 さらにその魚介類を人間が食べてしまうという困った食物連鎖が起こってしまうのです。「たかがマイクロビーズされどマイクロビーズ」といった感じです。

いずれ日本でも製造販売の規制が行われると思いますが、できればいまから目にも環境にもやさしい製品を使いませんか?