コラム集 3Dテレビ 2010.05
今年は3Dテレビ元年だそうです。3Dテレビとはメガネなどの補助器具を使って画面を見ると立体的に見えるテレビのことです。すでに3Dテレビを発売しているメーカーもあるようです。私は乗り物酔いがひどく、3Dを体験するとそれと同じ感覚になるのであまり興味はありません。テレビゲームでも上下左右のスクロールが大きいものなどでは3Dでなくても気分が悪くなってしまいます。
それはさておき、この3Dテレビは視聴に当たっていくつか注意点があるようです。放送局や家電メーカーなどが設立した3Dコンソーシアムという団体によると
・ 寝ころんでみない
・ 適切な位置で見る
・ 子供は注意する
・ 見る時間は疲れない程度にしておく
などだそうです。
3D映像は正面から見ることを想定して作られています。 寝ころんだり、斜めから見たり、近づきすぎたりすると、左右の目に映る画像の差が大きくなり、必要以上の緊張を眼に強いることになります。 それが原因で眼精疲労(疲れ目)を引き起こす可能性があるそうです。 小さな子供さんは立体視機能が十分に発達していないことや、両目の間隔が大人とは異なることなどから、大人の管理が必要だとしています。
3Dで見ることによる眼精疲労や不快感の自覚症状として、
・ 目が疲れる
・ 二重に見える
・ 目が乾く
・ 頭が痛い
・ 肩がこる
・ 背中が痛い
・ 吐き気がする
・ めまいがする
・ 酔う
などをあげており、3Dを見ていて、これらの症状を感じたら視聴を中断することがのぞましいとも指摘しています。
ゴロゴロ寝っ転がって気軽に見られないテレビ、チャンネルを変えるたびに2Dと3Dがころころ変わるテレビ、見たい番組が3Dだったら気分が悪くなりまともに見ることができないテレビ。個人的には勘弁していただきたいのですが、乗り物酔いのひどいいまだ地デジ未対応眼科医の独り言ですのであまり気になさらないでください(笑)。
ただ、2点だけ気になることがあります。
1.子供に対する配慮を十分にしてください。
以前アニメ番組の放映中、画面が激しく明滅したときに体調不良を訴える児童が多数報告されました。3Dの番組でも子供に予期せぬ反応が起こる可能性があります。少なくとも3Dテレビ番組開始初期は子供が見る時間帯を避けた方がいいように私は思います。また、メーカーは派手な広告だけではなく、番組視聴中の子供に対する注意・観察を怠らないように説明すべきです。
2.3Dテレビが普及することでドライアイや疲れ目の患者さんはさらに増えそうな予感がします。
大画面テレビ、パソコンや携帯といった便利な機器が普及するに伴い、目を酷使してドライアイの症状でお困りの方が増えております。コラム集の「ドライアイ」も一度ご覧ください。