オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 花粉症と減感作療法 2014.02

  •  今年もそろそろ花粉症の方にとっては憂鬱な季節がやってきます。 昨年は花粉の飛散が全国的にすごく多かったのですが、今年は地域によってばらつきがあり阪神間では平年並みか少し多めの予想です。 花粉飛散に関する情報は、環境省花粉観測システム「はなこさん」がおすすめです。 あとで出てくるPM2.5なら環境省大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」に詳しく載っています。

  •  ここ数年で治療法が大きく変わったわけではなく、3年前に書いたコラムでも花粉症のことを書いているので参考にしていただければと思います。 そこにも書いていますが、外出先から帰ってきたらコートの花粉を払って部屋に入るのと同じ感覚で、 その時に目を軽く洗うような感じで人工涙液の点眼をしてから部屋に入るというのはいいアイデアではないかなと思っています。 毎年つらい人はあらじめ予防治療を開始しておくのがいいと思います。症状が完全になくなることは残念ながらありませんが、それなりに軽減できるのではないでしょうか? 協和発酵キリンの「花粉症ナビ」に花粉症に関するいろいろな情報・治療法がのっています。

  •  PM2.5が話題になって以来、空中に飛散している粒子の大きさが話題になっていますが、スギ花粉の大きさは直径が20~40μm、ヒノキ花粉は30~40μm程度です。 健康被害が問題になっているのはPM10(直径10μm程度の粒子)以下のものが多く花粉よりさらに小さい粒子です。 花粉は市販されているほとんどのマスクでブロックすることができますが、目はそうはいきません。 ゴーグルのようなメガネがありますが見た目や曇りやすいなどの問題があり、何か良いアイデア商品が出てこないか期待したいところです。

  • 重症のスギ花粉症に対して行われている治療法に減感作療法があります。 食物アレルギーがこの治療法の対象になることが多いのですが、アレルギーのもとになっている物質を徐々に与えて免疫力を高め、 症状が出ないあるいは軽くするというものです。ただしやり方を間違える、あるいはそれを行ってはいけない方が行った場合、最悪命にかかわることがあります。 決して自己流で行うことなくアレルギーの専門医に相談のうえ慎重に行ってください。 実際、スギ花粉症の方が減感作療法のつもりでスギ花粉の成分を含む健康食品を摂取し、体調不良を起こしたとの報告があります。 これをきっかけに厚生労働省から注意喚起が出ています。健康食品で該当するものを使われている方は是非読んでみてください。効果がないだけではなく危険です。