オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集  自覚症状と病期 2007.10

糖尿病

糖尿病の目の病気といえば糖尿病網膜症が有名です。ひどくなると失明にもつながる大変問題のある病気です。糖尿病になってすぐに出てくるのではなく、糖尿病患者さん全員に出てくるわけでもありません。ただ、糖尿病であることがわかると、内科の先生から「一度眼底検査を眼科で受けてください」と言われると思います。そこで検査を受けていただければいいのですが、「別に自覚症状があるわけでもないから大丈夫だろう」あるいは一度受診し「いまは大丈夫といわれたからもういいや」とご自分で判断されほったらかしにされる方がいらっしゃいます。眼底の小さな出血は自覚症状にはつながりません。そうこうしているうちに網膜症がひどくなり視力低下を感じて眼科を受診されたときには病期がかなり進行した段階になってしまっているのです。

治療が後手に回らないためにも眼科のチェックは必ず受けてください。この病気で治療が後手に回ると本当に厄介なのです。もちろん糖尿病そのものの治療をしっかりと行うというのは大前提ですので念のため。

緑内障

緑内障はテレビコマーシャルなどの啓発活動でかなり皆さんに理解していただけるようになってきました。しかしこの病気は、病初期ではわずかな視野欠損しかなく、おまけに両目でものを見ているとその視野欠損の部分を他方の目がカバーしてしまうのでほとんどまったく気がつきません。日常生活を送っていてご本人が視野欠損に気づくぐらいになると病期としては中期以降になってしまいます。

困ったことにこの病気で視野欠損が起こると二度と元には戻りません。初期発見・初期治療が大変重要な病気です。神戸市立中央市民病院で診療していたときは、人間ドックでたまたま指摘された、コンタクトレンズをつくりにいってたまたま指摘されたという方が多いのです。初期にはほとんど自覚症状がないためこういったきっかけがないと見つからないのです。機会がありましたら是非人間ドックなどでの検査あるいは眼科受診をお勧めします。