コラム集  緑内障診断基準 (2009.03)


以前のコラムで書いたように、緑内障の古典的な診断基準は


1.眼圧が上昇する(高眼圧になる)。


2.高眼圧のストレスにより視神経が障害される。


3.障害されたところに一致した視野欠損が生じる。


というものでした。しかし最近では大規模な疫学調査などから、眼圧が正常範囲内でも緑内障性の視神経障害や視野欠損を生じる方が特に日本人に多いことがわかってきました。そこでそれをふまえた形で緑内障学会から「緑内障診療に関する指針」が発表されました。それによると


 緑内障は視神経乳頭、視野の特徴的変化の少なくとも一つを有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害の改善あるいは進行を阻止することができる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患


となっています。ここで重要なのは緑内障の診断基準から眼圧が高いということがはずれた点です。しかしそれでも治療法としては眼圧を下げることであるという方針もまた示されています。


これまでに、血流改善などいくつか緑内障治療として注目を集めたものがありました。治療効果があるという報告もあったのですが、どれも眼圧下降をはかることと同じようなはっきりとした治療効果を示すことができませんでした。現時点では「眼圧が正常範囲内でもさらに低くすることが治療の基本である」ということです。


眼圧下降効果が高い新しい目薬も開発されてきましたが、充血やまぶたの色素沈着という副作用が問題になることがあります。これまでの目薬でも角膜(黒目)の表面に傷ができて異物感の原因になることもあるので、できるだけ少ないお薬で最大の効果をということを念頭に置いて治療しています。


もう一つのトピックスとしては閉塞隅角緑内障についてです。これは次回のコラムでご紹介しようと思います。