オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 はやり目はやってます  2018.06

先日、新聞にも掲載されていましたが、最近はやり目(流行性角結膜炎、EKC)が全国的に流行しているそうです。

当院でも最近EKCの患者さんが何人か受診され、確かに増えているのかなという印象です。 ただ、充血や目やになど結膜炎の症状で受診される方の大部分は、EKCではなくアレルギー性結膜炎や細菌による急性結膜炎です。

EKCとはアデノウイルス感染が原因で、角膜や結膜に強い炎症を起こす病気です。 潜伏期間が一週間ぐらいあり伝染力のとても強い結膜炎です。 EKCの方は、登校・出勤せずに自宅静養が原則です。 これが病院内で流行してしまうと病棟閉鎖をしないといけないこともあるぐらいです。

EKCにかかると結膜が充血し、まぶたが腫れぼったくなり、流涙や目やにが多くなります。 また、まぶしくて目を開けるのがつらいという方もいらっしゃいます。

残念ながらEKCに対する抗ウイルス薬はないので、対症療法で乗り切るしか手段がありません。 具体的には細菌による複合感染予防のための抗生物質、炎症を抑えるための抗炎症薬の点眼を行うことになります。

EKC自体は大体数日から数週間でよくなりますが、問題なのがその伝染力の強さです。 風邪とは違ってお互い向き合っているだけで感染する可能性はありません。 よくあるのがEKCになった人が涙がひどいのでタオルで顔を拭いてそのタオルで別の人が顔を拭くパターン。 あるいはEKCの人が目をこすってその手であちこち触り別の人がそこを触ってその手で自分の目をこすってうつるパターンがあります。 つまり、涙がはやり目を媒介するのです。

受診された患者さんでこの病気にかかっている可能性のある方には、院内感染を防止する目的で受付後、 待合室内での移動の制限など患者さんに不愉快に感じられることをお願いしないといけません。 まことに申し訳ありませんが、ご理解をぜひ賜りますよう宜しくお願い申し上げます。