オーダーメード治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集  結膜結石 2013.06

結膜結石とはまぶたの裏側にある砂粒のような物です(図1から図2)。 これがあるからといって異物感などの不快な症状が必ずしも出てくるわけではなく、病気として心配する必要は基本的にはありません。年齢とともに結膜結石がある方は増えてくるので老化現象の一つとして出来ることも多いようです。 ただ、理由ははっきりしていませんが、慢性的な結膜炎、ドライアイ、さらには目をよくこすったり、コンタクトレンズを長期装用されたりしていると若い方でも出来ることはあります。

また、結膜結石の成分はカルシウムや脂質、組織中の老廃物などで、腎臟結石、尿管結石、胆石などとは成分もできる原因も違います。 したがって結膜結石があるからといって他の結石を心配する必要はありません。程度もそれぞれで、1つだけのこともあれば、多数出てくることもあります(図1)。 また周囲の充血や腫れなどの炎症所見を伴うこともあります(図2)。

結膜結石はある程度深いところにでき始めるため、初期には無症状です。 このまま無症状で経過することがほとんどなのですが、ときに少しずつまぶたの裏面側に移動してきて露出することがあります(図1と図2の矢印)。こうなると眼の表面を結石が直接こすることになるため、眼が傷ついて痛みが出たり、「ごろころする」「何かはいっているような感じがする」といった症状の原因となったりしてしまいます。 露出した結石を摘出しないと症状は取れないので、処置が必要になります。

結石が出来る原因が多岐にわたり、しかもよくわかっていないことも多いので、目薬などで結石ができないようにあるいは表に出てこないようにするのは困難です。摘出しても奥にある結石がまた露出してくることもあり、そうなると症状が再発してしまいます。表に出てきても放置していると自然に脱落して症状がなくなることもありますが、不愉快な症状が続けば摘出するというのが原則です。しつこいごろごろ感に悩まされている方はドライアイなどではなくひょっとしたらこれが原因かもしれません。 一度診察を受けてみてはいかがですか?