テーラーメイド治療を目指す神戸三宮の菊地眼科です

コラム集 運動と緑内障 2019.03

緑内障は視神経が障害されて視野欠損が進行し、末期になると視力障害を引き起こす病気です。 日本では眼圧が正常値上限の21mmHgを超えないにもかかわらず緑内障になる、正常眼圧緑内障(NTG)の方が70%ぐらいを占めています。 これはNTGがほとんどない欧米の緑内障とは大きく異なる特徴です。

NTG でも眼圧を下げることが、進行を止めるあるいはゆっくりにすることができる唯一の治療法です。 正常な眼圧をさらに大きく下げることは点眼薬ではなかなか難しく、眼圧を下げる以外の治療法を探して多くの研究が行われています。

運動した後に眼圧が下がるという報告がありましたが、運動すると緑内障の進行が緩やかになるという論文も発表されました。 一日あたり何歩あるき、何時間立って過ごし、どれぐらいの激しさの運動を行ったかなどを定量的に測定し、緑内障の進行との関連を解析しています。 それによると、歩数が多く、立って生活する時間が長く、中等度から激しい運動時間が長いほど視野障害の進行が緩やかだったそうです。

緑内障患者さんはうつや不安を抱えながら生活されている方も多く、運動するとこれらが軽減するといわれています。 運動は体にも目にもそして心にも優しいといったところでしょうか。